プロの撮影現場
合志市クリエイター塾、基礎編としては約1か月ぶりの授業が行われました。
塾生のみなさんは、前回の「演出発表」の授業でご提出いただいた演出プランから、清水塾長のレビューを受けて各チームで再度、改良。
10月末を締め切りとして、決定した演出プランをもとに各地域で撮影が行われました。
その後、撮れた素材を、繋げてみるというところで、この日の授業はその中間成果発表です。
地域のみなさんにはそれぞれの課題をチームで撮影に臨んでいただいたり、全国のオンライン受講生のみなさんは、清水塾長、佐々木カメラマンが撮影された素材を使って「合志市クリエイター塾2021」のPR映像を作ってみようというお題で「編集」に挑戦していただきました。
みなさんお忙しい中、着実に進めて、作品を提出してくださったことに感謝です!
この日の授業ではカメラマン佐々木さんも登場、撮影に関する技術的なお話しや、プロが使用する機材についても詳しく伺うことができました。
↑ カメラマン佐々木さんです ↑
「プロの撮影現場」と、塾生のみなさんの「中間成果発表」の2回に分けてレポートします。
初めに、プロデューサー柳井さんより、「映像制作市場」について最近の傾向をお話しくださいました。
映像制作市場は少しずつ増加傾向にあるそうで、作品の数、プレイヤーもそれにともなって増えています。
そうすると、今後は1作品にかけらる製作費は限られていき、現在、一般的に映像制作市場の約50%が1本300万程になっていくそうです。
10年前に比べると、大きな映像制作を担っていた企業にとっては厳しい時代になっていると言えますが、例えば、クリエイター塾の塾生のみなさんは、そうゆうところを目指してみるのも良いのではないでしょうか。
1本300万円程の作品を、年間数本作ることを目指す。
そのような目線で授業のノウハウを学んでいただければ良いと思います。
という、とても貴重なお話し、柳井さんありがとうございました。
ここからは、10月にROBOTのみなさんに急遽お越しいただ際の、合志市で行われた撮影。
そのメイキング映像をもとに食べ物の撮影、人物撮影の際の、それぞれに異なるポイントを清水さんより解説いただきました。
メイキング映像~食べ物の取り方~
撮影しているのは、カメラマン佐々木さんと塾長のディレクター清水さん。
ディレクター清水さんが自らお箸でお皿に食材を盛り付けながら「こっちが美味しそうにみえる」「これも案外いいね」など、佐々木カメラマンと会話をしながら調整されています。
佐々木さんはカメラをのぞきながら、清水さんはモニター、ライティングを確認。
また、霧吹き、ハケなどを使ってツヤを出すなど、商品がより美味しく、美しく映るよう工夫します。
そのお二人の周りで、テキパキと動き、清水さんに必要な道具を渡したりするROBOT相藤さんの役割が、アシスタントプロデューサー(AP)さん。
会場をセッティングしたり、時間を管理したり等、とても重要なお仕事です。
「はい、まわったー」
「いきまーす、よーい、はい」
「真ん中フィックスでもうちょい引いて」
「はい、こんな感じ」
お二人の撮るもののイメージが同じであるからこそ、こんなに短く少ないやりとりでも、撮影はどんどん進んでいきます。
実際に、課題の撮影に臨んでいる塾生のみなさんも、どうすればこのようにスムーズに撮影が進むの?といった質問も。
当日、スムーズに撮影が行われるために必要な事。それは何よりも「準備」。
食材、盛り付けるお皿。
お皿一つとってみても、白、黒、四角、丸、いろいろある中で、その食材と相性の良いもの選ぶ事や、商品以外で、装飾、より美味しそうに見えるための調整に必要な霧吹きや油などの小道具。
周りの方々に協力していただきながら事前に準備が全て揃う事で、当日の撮影がより良いものになるのだそうです。
撮りたいもの、見せたいものに目が行くには、その食材がどのような状況に置かれている事が良いのか?
を考えて選び、準備することが重要です。
今やiPhoneでも十分良い映像が撮れる時代。
高価な機材を使ってもこれらの準備が不十分では良い撮影はできません。
撮影において最も大切なのは何よりも「準備」なのです。
また、塾生のみなさんはカメラマン佐々木さんが使われていた機材にも注目。
初めて見るものばかりですし、何に使うものなの?いくらくらいするの?どこで購入できるのか、チャットでは機材についての質問が飛び交い、佐々木さんにお答えいただきました。
プロの方が使う機材ですから、カメラやレンズなど、高価なものが多い中でも、意外と手が届きそうな価格の物もあり、「使ってみたい」と購入を検討された方も多かったようです。
技術的なお話しでは、あえて逆光で撮ったのはなぜなのか、食材を撮るのにカメラを動かす理由など、経験豊富な佐々木さんだからこその感覚に触れる事ができて、とても勉強になります。
実際に課題に取り組まれている最中の塾生のみなさんは、ご自分たちの撮影と照らし合わせながら、うまくいかなかった点、「こうすればよかったのか!」と答え合わせのような視点でご覧いただきました。
どうすれば、映像に興味の無い人たちの興味を引いて見せる事ができるのか、見せたいものをみせるためには、「今これを見なきゃいけないんだ」という「誘導」が必要なのだそうです。
続いて、ショッピングモール店舗内での「人物」の撮影。
メイキング映像~人物撮影~
メイキングを見ても、佐々木さんや、清水さんがとにかく演者さんに楽しく話しかけているのがわかります。
今回映像にご出演いただいたのが、クリエイター塾運営の平内さんと、合志市役所の境さん。
塾生のみなさんが撮影する際も、プロの役者さんではない方にご協力いただいたり、チームやスタッフの誰かがその役割を担当する場合がほとんどだと思います。
そういった撮影現場では、ディレクター、カメラマンをはじめ、そこにいるスタッフみんなで役者さんに楽しんで演じてもらえる為の雰囲気作りが求められます。
「買い物風景」よりもさらにイメージしやすい設定を作ったり、時には笑いがおきるような事がありながら、現場を楽しく盛り上げる事も撮影現場ではとても重要なんですね。
ついつい、撮影に集中するあまり忘れてしまいがちな気遣いや雰囲気作りもとても参考になるメイキング映像でした。
カメラマン佐々木さんありがとうございました。